音響・PA会社の集客【相見積もりで値段だけを見られないために】

問い合わせは来るが、相見積もりになると値段で負ける。音響・PAの現場でよく聞く話です。

ただ、値段で比べられているのは、値段しか比べられる情報がないからです。ここは書き方で変えられます。

見積書が「金額だけ」になっていないか

一式いくら、という出し方をすると、発注側は金額しか見られません。何が含まれているか分からないので、安いほうを選ぶしかなくなります。

分けて書いてください。

  • 人員:何人が、何時間入るのか
  • 機材:何を持ち込むのか。スピーカー、卓、マイクの本数
  • 作業:仕込み、リハ、本番、撤収。それぞれの時間
  • 含まれないもの:延長、追加機材、駐車場

特に最後が重要です。「含まれないもの」を書いてある見積は、当日に揉めません。発注側がそれを知っているので、安いだけの見積との差が伝わります。

実績は「規模」より「近さ」で見せる

大きな現場の実績を並べても、小規模なイベントの担当者には判断材料になりません。「うちには大げさかもしれない」と思われます。

載せるべきは、問い合わせてくる人と条件が近い現場です。

  • 会場の規模(客席数、屋内か屋外か)
  • どういう催しか(発表会、企業イベント、ライブ)
  • 何人で入って、どのくらいの時間か

写真より、この3行のほうが効きます。読んだ人が自分の現場に置き換えられるからです。

一度きりで終わらせない

音響は、同じ主催者が毎年やる催しが多い分野です。継続案件を持っているかどうかで、経営の安定がまったく違います。

現場が終わった後にやることは2つです。

  1. 報告を出す:当日どうだったか、次回の改善点。短くて構いません
  2. 次回の話をする:来年やるなら、いつ頃決まるか聞いておく

撤収して終わりにすると、次回は改めて相見積もりになります。報告を出す会社は、次に指名で来ます。

問い合わせの入口を絞らない

電話番号だけを置いている会社が多いですが、担当者は日中に電話をかけられないことがあります。

  • フォームを置く
  • 概算が分かる情報を先に出す(規模別の目安)
  • いつまでに相談すればいいかを書く

3つ目は親切ではなく実務の話です。直前の依頼は断ることになるので、先に書いておくほうがお互いに楽になります。

強みは「機材」ではなく「判断」

持っている機材を並べても、発注側には違いが分かりません。伝わるのは判断のほうです。

会場が響きすぎるときにどうするか。想定より人が入ったときにどうするか。現場で起きることと、その対処を書けると、任せられる会社に見えます。

よくある質問

価格表は出すべきですか

正確な金額でなくていいので、規模別の目安を出してください。まったく分からないと問い合わせのハードルが上がり、逆に予算の合わない相談ばかり増えます。

個人からの小さい依頼も受けるべきですか

受けるかどうかを決めて、書いておくことが大事です。曖昧にしておくと、断る手間が毎回発生します。

ホームページは必要ですか

必要です。相見積もりのとき、発注側は必ず会社名で検索します。そこで実績と条件が読めないと、金額だけで比べられます。

依頼が来る経路を、把握しているか

音響の依頼は、いくつかの決まった経路から来ます。どこから来ているかを把握していないと、増やしようがありません。

  • 会場からの紹介:ホール、ライブハウス、貸しスペース
  • 同業からの回し:日程が埋まっている会社からの相談
  • イベント会社・制作会社:継続案件になりやすい
  • 検索:地域名+音響、で探している主催者

直近10件がどこから来たかを数えてみてください。偏っているなら、そこが強みで、それ以外が伸びしろです。会場からの紹介がゼロなら、会場に挨拶に行くだけで変わることがあります。

断り方も、営業のうち

日程が埋まっている、規模が合わない、条件が厳しい。断る場面は必ずあります。

ここで「できません」だけで終える会社と、代わりの案を出す会社では、次の依頼が変わります。

  • 別日なら受けられると伝える
  • その規模を得意にしている同業を紹介する
  • 減らせる部分を提案して、予算に合わせる案を出す

断った相手が、次の案件で戻ってきます。1回の案件ではなく、その主催者が続ける限りの取引で考えたほうが、結果的に売上は増えます。

まとめ:手を付ける順番

  1. 見積の内訳を分ける。人員・機材・作業・含まれないもの
  2. 近い規模の実績を出す。大きな現場より、条件が似ている現場
  3. 終わったら報告を出す。次回の指名につながる唯一の手間です
  4. 問い合わせの入口を増やす。電話だけにしない
  5. 依頼の経路を数える。偏りが分かると、次に営業する先が決まります

1番が最初です。内訳のない見積は、金額でしか比べられません。

集客の設計を、一度整理しませんか

「何から手を付けるか決められない」という段階の整理をしています。売り込みはしません。合わないと判断した場合はその場でお伝えします。

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