モデル活動やオーディションで必ず求められる「宣材写真(せんざいしゃしん)」。プロのカメラマンに頼まないといけないと思われがちですが、実はスマホと少しのコツで、自分でも十分に用意できます。この記事では、宣材写真とは何か、自分で撮るときのポイントをまとめます。
宣材写真とは?普通の自撮りとの違い
宣材写真は「宣伝材料写真」の略で、あなたの見た目や雰囲気を正確に伝えるための写真です。SNSにあげる自撮りとは目的が違います。自撮りは「よく見せる」ための写真ですが、宣材写真は「会ったときにギャップがない」ことが最優先です。
審査する側は、その1枚から「この人を実際に呼んだらどう写るか」を判断しています。だから盛れば盛るほど落ちやすくなります。加工で別人になった写真を送ると、書類が通っても対面で終わります。
- 自撮り=盛る。宣材=正確に伝える
- 審査側が見ているのは「実物との一致」と「使いやすさ」
- 顔がはっきりわかる1枚と、全身がわかる1枚。この2枚が基本セット
撮る前に決めておく3つのこと
いきなりカメラを構えると、だいたい撮り直しになります。先にこの3つを決めてください。
1. 何に使うか。読者モデル応募、事務所オーディション、SNSのプロフィール。用途によって求められる雰囲気が変わります。応募先の掲載モデルを何人か見て、明るい系か落ち着いた系かの方向だけ合わせておくと外しません。
2. 何枚撮るか。最終的に必要なのは2〜4枚ですが、撮影では100枚以上撮って選ぶのが普通です。少なく撮って選ぼうとすると妥協した1枚になります。
3. 服をどうするか。後述しますが、体のラインがわかる無地の服が基本です。撮影当日に迷わないよう、前日に出しておいてください。
スマホで宣材写真を撮る手順
一眼レフは要りません。今のスマホは宣材写真に十分な画質があります。必要なのは光と場所の選び方です。
時間帯と場所
晴れの日の午前10時〜午後3時、屋外の日陰がいちばん簡単です。直射日光は顔に濃い影が落ちて目元が暗くなるので避けてください。室内なら、大きめの窓から1〜2メートル離れて、窓のほうを向いて立ちます。
蛍光灯だけの部屋は肌の色が濁るので、必ず自然光を使ってください。夜しか時間が取れない場合は、翌日の昼に撮り直したほうが早いです。
機材の代わりになるもの
- 三脚がなければ、スマホスタンド、または箱と本で高さを作る
- セルフタイマー3秒+連写(バーストモード)で表情のバリエーションを稼ぐ
- 白い服やA3のコピー用紙を体の下に置くと、レフ板の代わりになって顔が明るくなる
- インカメラではなくアウトカメラ(背面カメラ)で撮る。画質がまったく違う
カメラの設定
美肌モードや自動加工は必ずオフにしてください。オンのまま撮ると、あとから戻せません。グリッド表示をオンにして、目線が上から3分の1の位置に来るように構えると安定します。
バストアップの撮り方
顔がわかる写真です。ここがいちばん見られます。
カメラの高さは目線と同じか、ほんの少し上。上げすぎると顎が細くなって実物と変わってしまい、宣材としては失格になります。距離は1.5メートルほど離れて、ズームは使わずに近づいて撮ると歪みません。
正面・斜め45度・真顔・軽い笑顔、この組み合わせで撮っておくと選択肢が増えます。前髪で眉が隠れていると表情が読めないので、当日は少し分けておくと安全です。
全身写真の撮り方
身長・体型・立ち姿を見るための写真です。ここを省略する人が多いのですが、全身がないと選考が進まない応募先もあります。
カメラは腰の高さに置いてください。目線の高さから撮ると足が短く写ります。足元は切らず、靴まで入れます。壁から50センチほど離れて立つと、背景に影が落ちません。
立ち方は、片足に重心を置いて、もう片方の足を軽く前に。手は体の横に自然に下ろすか、片手だけ軽く曲げる。腕を完全に体にくっつけると太く見えるので、こぶし1つ分だけ空けてください。
服装と髪型で失敗しないために
- 無地・シンプルな服。柄物やロゴは顔から視線を奪う
- 体のラインがわかるもの。オーバーサイズは体型が判断できず不利
- 白・黒・ベージュ・淡い色が無難。背景と同じ色は避ける
- 髪はまとめすぎず、顔まわりが見える状態に。長さがわかるように下ろす1枚もあると良い
- メイクはナチュラルに。普段より少しだけしっかり、が正解
- アクセサリーは最小限。時計やピアスの主張が強いと写真の年代がバレる
背景の選び方
いちばん簡単なのは白かグレーの壁です。自宅で見つからなければ、公園の壁、駅の白い壁、コンクリートの壁でも十分成立します。
避けたいのは、生活感のある室内(洗濯物・家具・散らかった床)、人が写り込む場所、柄の強い壁です。背景が騒がしいだけで素人写真に見えます。
加工はどこまでやっていいか
結論から言うと、明るさとコントラストの微調整までです。
やっていいのは、全体を少し明るくする、暗すぎる影を持ち上げる、傾きを直す、この3つ。やってはいけないのは、輪郭を細くする、目を大きくする、鼻を小さくする、肌のシミやほくろを消す、脚を伸ばす。これらは全部、実物とのギャップになります。
ニキビなど一時的なものを軽く消すのは許容範囲ですが、それ以外の骨格や目鼻立ちには触らないでください。判断に迷ったら「実際に会ったときにこの写真を見せて納得してもらえるか」で決めると間違いません。
よくあるNG5つ
- プリクラ・アプリの自動加工:一発で落ちます。宣材としての情報がゼロになるためです
- 友達が写り込んでいる写真をトリミング:肩や手が残っていると雑に見えます
- 暗い写真:肌の色も表情も伝わりません。撮り直しが最短です
- マスク・サングラス・帽子:顔がわからない写真は審査対象になりません
- 古い写真の使い回し:3ヶ月以上前の写真は、髪型が変わっているだけで別人扱いされます
撮ったあとのデータの整え方
撮影より、ここで差がつきます。
まず100枚から10枚に絞り、そこから最終の2〜4枚を選びます。選ぶ基準は「盛れているか」ではなく「自分らしいか」。友達に「どれがいちばん普段の私に近い?」と聞くのがいちばん確実です。
ファイル名は「名前_バストアップ.jpg」「名前_全身.jpg」のように内容がわかる形にしてください。IMG_4821.jpg のまま送られてくると、受け取る側で管理できません。サイズは長辺2000ピクセル前後、1枚2〜3MBまでに収めておくと、メールでもフォームでも問題なく送れます。
宣材写真は何枚あればいい?
最低でも「顔のアップ(バストアップ)」と「全身」の2枚。余裕があれば、笑顔・真顔・横顔など表情違いを数枚そろえると、送り先に選んでもらいやすくなります。4枚を超えると逆に選びにくくなるので、多くても4枚までに絞ってください。
自分で撮るのが不安な人へ
「うまく撮れる自信がない」という方も心配いりません。Pasha!に読者モデル登録すると、あなた専用の紹介ページを編集部が無料で作成します。これがそのまま宣材・ポートフォリオ代わりになり、他のオーディションや活動の実績としても使えます。まずは手持ちの写真を送るところから始められます。
よくある質問
宣材写真はスマホで撮っても大丈夫ですか?
問題ありません。今のスマホは宣材写真に十分な画質があります。重要なのは機材より光と背景で、屋外の日陰か窓際の自然光で、背景を無地にすれば十分に成立します。美肌モードは必ずオフにしてください。
宣材写真は何枚必要ですか?
顔がわかるバストアップと、全身がわかる写真の2枚が基本です。余裕があれば表情違いを足して合計2〜4枚。多くても4枚までに絞ったほうが選んでもらいやすくなります。
宣材写真の加工はどこまでしていいですか?
明るさ・コントラストの微調整と傾き補正までです。輪郭を細くする、目を大きくする、肌のほくろを消すといった加工は、実物とのギャップになるため避けてください。宣材写真は盛る写真ではなく、正確に伝える写真です。
全身写真はどうやって撮ればいいですか?
カメラを腰の高さに置き、足元を切らずに靴まで入れて撮ります。目線の高さから撮ると足が短く写ります。壁から50センチほど離れて立つと背景に影が落ちません。