事務所に所属すること自体は、まったく悪いことではありません。仕事を取ってきてくれる、現場を管理してくれる、というのは大きな価値です。
問題は、事務所という言葉だけで判断がつかないことです。看板は同じでも、中身はまったく違います。契約前に確認すべき7点を挙げます。
1. お金がどちらに流れるか
最初に見るのはここだけでいいと言ってもいいくらいです。
まっとうな事務所は、あなたの仕事から手数料を取ります。つまり仕事が発生してから、報酬の一部を受け取る形です。逆に、所属する前の段階でレッスン料・登録料・宣材撮影費を求めてくるなら、その事務所の収益源はあなた自身になっています。
後者が全部悪いとは言いませんが、その場合「あなたに仕事を取ってくる動機」が薄くなる構造だ、ということは理解しておいてください。
2. 契約の種類を言えるか
「所属」と一口に言っても中身は違います。専属なのか、業務提携なのか、単に登録されるだけなのか。
聞いたときに明確に答えられない相手は避けたほうが安全です。あいまいなまま進めて、あとで「専属だから他の仕事は受けられない」と言われるのがいちばん困ります。
3. 契約期間と、やめ方が書いてあるか
契約書で最初に読むのは報酬ではなく「やめるときどうなるか」です。
- 契約期間は何年か
- 自動更新か。更新を止めたいときは何日前に言う必要があるか
- 途中でやめるときに違約金は発生するか。いくらか
- やめたあと、一定期間は活動できないという条項(競業避止)はあるか
「辞めるときは違約金◯◯万円」のような一文は、読めば気づきます。読まないから気づかないだけです。その場で全部読んでください。読む時間をくれない相手は、それ自体が答えです。
4. 仕事の実績が確認できるか
所属モデルが実際にどこに出ているか。サイトに載っている実績が、検索して確認できるか。
実績が「有名企業多数」「大手案件あり」のようにぼかされている場合、具体名を聞いてみてください。答えられないなら、実態が薄い可能性があります。
5. 運営の実体があるか
会社名、所在地、代表者名。この3つが公開されているかを見ます。個人でやっていること自体は問題ではありませんが、何かあったときに連絡が取れる相手かどうかは確認しておいてください。
6. 撮影や面談の場所と進め方
初回の面談が個室や自宅、深夜の時間帯に設定される場合は断って構いません。同行者を連れて行きたいと伝えて嫌がられるようなら、それも判断材料です。
まっとうな相手であれば、同行者を断る理由がありません。
7. 決断を急がせないか
「今日決めてくれたら」「枠が埋まる」。この言葉が出た時点で、内容にかかわらず一度持ち帰ってください。
本当に必要とされているなら、数日で話は消えません。
断るときの言い方
断るのが苦手な人ほど、理由を作り込もうとして失敗します。理由はいりません。
「今回は見送らせてください。ありがとうございました。」これで十分です。理由を聞かれても「他も検討したいので」で終わらせて構いません。説得を始められたら、それ以上会話を続けなくていいと覚えておいてください。
「怪しい」と「合わない」は分けて考える
ここまで7つ挙げましたが、全部に当てはまらなくても単純に自分と合わない事務所はあります。それは怪しさとは別の話です。
たとえば、方向性がグラビア中心なのに自分はファッションをやりたい。地方在住なのに毎週の都内レッスンが前提。こうしたものは危険ではなく、条件が噛み合っていないだけです。この場合も遠慮なく見送って構いません。
逆に、条件は良さそうに見えるのに説明を求めると機嫌が悪くなる相手は要注意です。質問に答えることを面倒がる時点で、契約後の対応も想像がつきます。
聞いておくといい質問リスト
面談の場で、そのまま口に出して構いません。答え方でだいたいわかります。
- 「契約の種類は専属ですか、業務提携ですか」
- 「所属にあたって、こちらが負担する費用はありますか」
- 「報酬の取り分と、支払いのタイミングを教えてください」
- 「契約期間と、途中でやめる場合の条件はどうなっていますか」
- 「直近で所属の方が出た仕事を、具体的に教えていただけますか」
- 「契約書は持ち帰って読んでもいいですか」
この6つを聞かれて嫌がる事務所は、まず候補から外して問題ありません。まっとうな相手ほど、聞かれ慣れています。
面談のあと、その日のうちにやること
その場では判断できなくても、帰ってから整理すれば見えてきます。
- 聞いた条件をメモに書き出す(金額・期間・費用・仕事内容)
- 質問に対して、はぐらかされた箇所がなかったか思い返す
- 会社名と代表者名を検索する
- もらった資料に、口頭の説明と食い違う箇所がないか照らす
- 誰かに話す。話しているうちに違和感が言語化されます
とくに4つ目が大事です。口では良いことを言い、書面では別の条件になっているというのは実際にあります。書いてあるほうが優先されます。
所属しなくてもできること
事務所に入らないと活動できない、というわけではありません。今は個人で動く選択肢が現実的にあります。
SNSで作品を出す、読者モデルとして掲載歴を作る、単発の撮影に参加する。こうして実績を積んでから事務所と話すほうが、条件面で有利になります。何もない状態で交渉すると、相手の言い値になります。
逆に、掲載歴やフォロワーがある状態で話をすると、扱いが変わります。急いで所属を決める理由は、実はあまりありません。
迷っている段階でできること
事務所に入るかどうかを決める前に、実績だけ先に作っておくという手があります。
掲載歴があると、オーディションに応募するときの説得力が変わりますし、事務所と話すときも「すでに動いている人」として扱われます。Pasha!の読者モデル登録は費用ゼロ・専属契約なし・掲載前に本人確認で、他の活動を一切制限しません。事務所を検討しながら並行して構いません。
よくある質問
モデル事務所に所属するのにお金がかかるのは普通ですか?
まっとうな事務所は、あなたの仕事から手数料を受け取る形が基本です。所属前にレッスン料や登録料を求められる場合、その事務所の収益源があなた自身になっている構造なので、条件をよく確認してください。
契約書で最初に読むべきところはどこですか?
報酬ではなく「やめ方」です。契約期間、自動更新の有無、途中解約時の違約金、やめたあとの活動制限。この4つを先に確認してください。
面談に友人や家族を連れて行ってもいいですか?
問題ありません。まっとうな相手であれば同行者を断る理由がありません。嫌がられた場合は、それ自体が判断材料になります。
事務所に入る前にできることはありますか?
掲載実績を先に作っておく方法があります。Pasha!の読者モデル登録は費用ゼロ・専属契約なしで、事務所を検討しながら並行できます。