LTV(顧客生涯価値)とは何か。計算方法と広告費・CPA設計への使い方

「1件獲得するのにいくらまで使えるか」という問いに答えるには、LTVの計算が欠かせない。LTVを知らずにCPAの目標を設定すると、儲かっているのか損しているのかが分からないまま広告を回し続けることになる。

LTVとは何か

LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)は、1人の顧客が生涯を通じて自社にもたらす利益の合計だ。1回の購入額ではなく、継続・リピート・紹介も含めたトータルの価値を指す。

1件3万円の商品を1回だけ売るビジネスと、月1万円のサービスを平均12ヶ月継続するビジネスでは、後者の方がLTVが4倍高い。にもかかわらず「1件3万円の商品には広告費を1万円まで」「月1万円のサービスには3,000円まで」と同じ基準で管理するのは間違いだ。

LTVの計算方法

基本的な計算式は以下だ。

LTV = 平均購入単価 × 平均購入回数(または継続月数) × 粗利率

例1:単発商品(リフォーム会社)
平均受注額100万円 × 紹介含む平均1.5件 × 粗利率40% = LTV 60万円

例2:サブスクリプション(月額サービス)
月額2万円 × 平均継続18ヶ月 × 粗利率70% = LTV 25.2万円

粗利率を掛けるのは、売上ではなく「手元に残る利益」をベースにするためだ。売上でLTVを計算すると、CPA設定を間違える。

LTVからCPAの上限を決める

一般的には「LTVの30〜50%以内をCPA上限にする」のが目安だ。LTVが60万円なら、1件獲得にかけられる広告費の上限は18〜30万円になる。

ただしこれはキャッシュフローの問題もある。サブスクのように回収に18ヶ月かかる場合、初月の広告費を回収できるのは1年半後だ。手元の資金と照らし合わせて現実的なCPA上限を設定する必要がある。

LTVを上げる3つの方法

1. 継続率・解約率を改善する

月額サービスの場合、解約率を月2%から1%に下げるだけでLTVが大幅に変わる。継続月数が倍になれば、同じCPAでも利益が倍になる。新規獲得に予算を使う前に、既存顧客の継続率改善に投資する方が費用対効果が高いことが多い。

2. 追加購入・アップセルを設計する

初回購入後に上位プランや関連商品を提案する仕組みを作る。初回の購入単価が上がればLTVも上がる。ただし無理なアップセルは解約率を上げるため、顧客にとっても価値のある提案にする。

3. 紹介・口コミの仕組みを作る

紹介で獲得した顧客は広告費がかかっていない分、LTVが実質的に上がる。満足した顧客が自然に紹介したくなる仕組みと、紹介しやすい仕掛け(紹介カード・特典など)を設計する。口コミ・紹介の仕組みについてはこちらの記事にまとめている。

LTVを計算していない企業がはまる罠

「CPA5万円は高い」と感じて広告を止めた結果、実はLTVが50万円の顧客を獲得し損ねていたケースがある。逆に「CPA1万円は安い」と感じて予算を増やし続けたが、LTVが8,000円しかない顧客ばかり集めていてトータルで赤字だったケースもある。

広告費・CPA管理の全体像は予算配分の記事で、CPAが高い時の改善策はこちらにまとめている。

LTV計算・広告戦略の設計について相談したい方はこちらから

このテーマの全体像は「Webマーケティング戦略の全体像【中小企業・個人事業主が最初に読む記事】」でまとめています。あわせてご覧ください。

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