【バンド向け】ファンを育てライブを満員にするデジタルマーケティング戦略

バンドがライブの動員を増やすには、配信やSNSの前に、ライブの日を直接知らせられる連絡先(公式LINEかメール)を作ります。そのうえで、聴ける場所を用意し、短い動画で見つけてもらい、告知を数回に分けて届けます。この順番を間違えると、再生数が増えても動員につながりません。

「良い曲を作っているのに聴いてもらえない」「ライブに来てくれる人が増えない」。この悩みは、曲の良し悪しとは別の場所に原因があることも多いです。

私自身、もとはバンドのボーカルです。バンド時代のアカウントにはフォロワーが3,000人いましたが、告知して来てくれたのは5人という日がありました。活動をやめるときには、「また音楽やるよ」と伝えられる連絡先が1件も残っていませんでした。届け方を知らないと、曲は届きません。

順番を間違えると、全部やり直しになる

ライブの動員につなげるには、4つの準備が必要です。ただし、着手する順番があります。

よくある失敗が、配信とSNSだけ先に頑張って、受け皿を作らないまま数か月やってしまうことです。再生数は増えたのに、ライブの日にお知らせを届ける先が1件もない。この状態だと、それまでの発信を動員につなげにくくなります。

順番はこうです。

  1. 受け皿を作る(公式LINEかメール。登録先を1つ決める)
  2. 配信に乗せる(聴かれる場所を用意する)
  3. 短尺で広める(発見される入口を増やす)
  4. 告知で来てもらう(受け皿に溜まった人へ届ける)

1が最初です。手間としては一番地味ですが、ここがないと2〜4の成果が貯まりません。

4つの施策で、やること

1. メールマガジン・公式LINEでコアファンを育てる

SNSのアルゴリズムに左右されにくい連絡手段として、メールマガジンや公式LINEを用意します。ライブの先行予約や限定グッズの情報を登録者に先に届けると、登録する理由ができます。ライブ会場では、MCで一度案内し、物販の前にも登録用のQRコードを置いておきましょう。

2. 楽曲をプラットフォームに乗せる

SpotifyやApple Musicに楽曲を配信すると、ライブに来たことのない人が曲を見つける道ができます。Spotify for Artistsの楽曲ピッチングも試しましょう。ただし、プレイリストに載る保証はなく、配信前に申請する必要があります。YouTubeにはMVやライブ映像を上げておきます。

3. TikTok・Reelsで楽曲を広める

楽曲の一部を使った短い動画を投稿します。ライブのサビだけでなく、「この曲の制作秘話」「練習の裏側」などを出すと、音楽だけでなく、人にも興味を持ってもらえます。ライブのたびにいろいろな角度から撮っておけば、1回のライブから何本も作れます。私の最後のバンドでも、スタッフに撮影を頼み、編集していくつものショートにして拡散していました。

4. ライブ集客の段階的な告知

ライブの告知は1か月以上前から始めて、段階的に出します。過去のライブ映像を予習用に出すのも、初めて来る人の不安を減らすのに役立ちます。具体的な回数は次の節で説明します。

告知は「5回」に分ける

ライブの告知を1回しかしないバンドは多いです。ただ、1回の投稿がフォロワー全員に届くことはありません。届かなかった人にとっては、告知しなかったのと同じです。

使いやすいのは、次の5回です。

いつ伝えることねらい
1か月前日程と会場だけ予定を空けてもらう
3週間前共演者、その日の趣旨行く理由を作る
2週間前チケットの取り方予約を動かす
3日前当日の流れ、開演時刻、物販の有無行く準備をしてもらう
前日ひとこと行くと決めた人の背中を押す

この型はライブの動員が増えない理由(357studio)で、実際の文面まで含めて書いています。

見る数字は、フォロワー数ではない

フォロワーが増えても動員が増えないなら、見る指標が違っています。追うのは次の3つです。

  • 受け皿の登録者数:LINEやメールに何人いるか
  • 告知1回あたりの反応数:予約フォームを開いた人の数。投稿のいいね数ではありません
  • 登録者に対する来場率:登録100人で何人来たか。ライブごとに記録して、前回と比べます

フォロワーは「知っている人」の数で、受け皿の登録者は「連絡が取れる人」の数です。フォロワーが動員に直結しないことは、私の3,000人と5人の差が示しています。

ノルマがあるなら、何人必要かを先に出す

ノルマのあるライブでは、何人来れば赤字が消えるのかを先に数字にしましょう。たとえばノルマが30,000円で、チケット代が2,500円なら、必要なのは12人です。これが分かると、受け皿に何人いれば足りそうかも考えられます。

私が5年続けたバンドでは、毎月数万円をバンドに払い続けていて、そのほとんどがライブのノルマでした。回数が増えた月は負担も増えます。本数を増やす前に、1本あたりの収支を見ることをおすすめします。自分の条件で計算するなら、ノルマの計算機が使えます。

よくある詰まり方

投稿は続けているのに反応がない:バンド側の都合(今日はスタジオでした、等)だけを出していることが多いです。聴く人の得になる情報が混ざっていないと、読む理由がありません。

チケットの取り方が分からない:告知に予約先が書かれていない、という単純な取りこぼしです。毎回の告知に必ず入れてください。

メンバー間で温度差がある:発信を1人に押し付けると、その人が抜けた瞬間に止まります。バンドのメンバー管理(357studio)で、役割の決め方を書いています。

応援の仕方が伝わっていない:私の最後のバンドで、何度も来てくれる人に「何かこっちからできることある?」と聞いたら、「私、何したらいいの?」と聞き返されました。ライブに来てくれるだけで十分だと思っていましたが、もっと応援したい人もいます。それからCDやファンクラブを用意して、応援の仕方を分かりやすく示しました。

まとめ:最初の1週間でやること

バンドの大きな武器はライブです。SNSで見つけてもらい、曲を聴いてもらい、連絡先を受け取り、ライブに来てもらう。この流れを作ることが、バンドのマーケティングの中心です。

  1. 公式LINEかメールのどちらかを選び、登録ページを作る
  2. 次のライブの告知5回分の日付をカレンダーに入れる
  3. 次のライブで、登録用のQRコードを会場に置く
  4. 来場者の数と登録者の数を記録する

よくある質問

バンドは公式LINEとメールのどちらを使えばいいですか?

ファンがふだん使っているほうを1つ選びます。迷ったら、スマホですぐ登録してもらいやすい公式LINEから始めましょう。大切なのは、ライブの日に直接知らせられる先を持つことです。

ライブの告知はいつから始めればいいですか?

1か月前を目安に始めます。1か月前、3週間前、2週間前、3日前、前日の5回に分けると、それぞれ違う情報を届けられます。

フォロワーを増やせばライブの動員は増えますか?

それだけでは増えるとは限りません。フォロワーに投稿が届くとは限らず、見た人が来るとも限らないからです。直接連絡できる登録者と、告知に反応した人の数も見てください。

配信とSNSはどちらを先に始めるべきですか?

どちらよりも先に、公式LINEかメールの受け皿を作ります。次に配信で聴ける場所を用意し、そのあと短い動画で広めると、見つけてくれた人を連絡先につなげやすくなります。

音楽活動の話は、357studioで詳しく書いています

アーティスト向けのマーケティングは、専門サイトの357studioにまとめています。この記事に近いのはこちらです。

▶ バンドのSNS戦略 完全ガイド

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