同じブランドの近隣店と客を取り合うとき、加盟店ができること

同じブランドの店が近くにある。検索すると両方出てくる。商品も価格も同じ。お客さんにとってはどちらでもいい。

これはフランチャイズ特有の悩みで、個人店には存在しません。そして本部に相談しても解決しません。本部から見れば、どちらの店で売れても売上は立つからです。

価格では戦えない

まず前提として、価格やキャンペーンで張り合うのは無理です。規約で縛られているうえ、仮にできたとしても消耗するだけで、勝った側も利益が減ります。

差がつくのは、店ごとに変えられる部分だけです。そこに集中します。

変えられる5つ

1. 人

本部の公式サイトに、そこで働いている人は載りません。ここは加盟店の自由度が一番高い領域です。スタッフの顔と名前が分かる店は、それだけで選ばれる理由になります。

2. 時間

早朝、夜間、定休日。「あの店は日曜もやっている」は、それだけで指名される理由になります。人員の都合はありますが、検討する価値はあります。

3. 駐車場とアクセス

「停めやすい」は想像以上に強い決め手です。台数が同じでも、入りやすさが違えば選ばれ方が変わります。写真で見せてください。

4. 地域との接点

近所のイベントに出る、近隣店舗と組む、地域の話題に触れる。隣町の店には絶対にできないことです。

5. 口コミ

数と中身。ここは完全に店ごとの努力が出ます。同じブランドで検索したとき、口コミ80件の店と12件の店が並んでいたら、多くの人が前者を選びます。

お客さんの判断の順番

整理すると、こうなっています。

  1. 「〇〇(ブランド)に行きたい」と思う ← 本部の仕事
  2. 近くの店を探す ← 地図に出るかどうか
  3. どちらの店にするか決める ← ここが加盟店の勝負

3番の判断材料を用意していない店は、単に近いほうが選ばれます。立地で負けているなら、それ以外を用意するしかありません。

やってはいけないこと

  • 近隣店を悪く言う:同じブランドなので、ブランド全体の信用が落ちます。本部からも問題視されます
  • ブランド名で広告を出す:多くの本部で禁止されています。本部と入札を争って単価を上げるだけです
  • 相手の商圏に踏み込む:担当エリアの取り決めがある場合、契約違反になります

張り合うのではなく、自分の店にしかない理由を作る。それが唯一続けられる方法です。

指名で来てもらう状態を作る

近隣店との差を最終的に決めるのは、「あの店に行こう」と名指しで決めてもらえるかどうかです。ブランド名で探された時点では、まだ勝負がついていません。

指名が生まれるきっかけは、だいたい人に紐づいています。

  • 担当してくれた人が覚えていてくれた
  • 前回の話を覚えていた
  • 頼んでいないのに、こちらの都合を考えてくれた

これは本部のマニュアルには書けません。書けないからこそ、差がつきます。

近隣店と組むという選択

意外に思われますが、同ブランドの近隣店と争わずに役割を分けるという手もあります。

  • 片方が早朝、片方が夜間に強くする
  • 混雑時にお互いを案内する
  • 在庫を融通する

お客さんを取り合うと、両店とも疲弊します。ブランド全体の満足度が上がれば、結果として両方に返ってきます。本部にとっても歓迎される動きなので、相談もしやすいはずです。

立地で負けている店がやること

駅から遠い、通りから見えない、駐車場が小さい。この条件は変えられません。だから通りがかりを諦めて、目的を持って来てもらう理由を作ります。

  • 予約制にして、待たずに済むことを価値にする
  • スタッフを前面に出し、人で選んでもらう
  • 口コミを厚くして、探して来てもらう

立地が良い店は通行量に頼れるぶん、こうした努力を後回しにしがちです。不利な条件が、結果的に強い店を作ることがあります。

3ヶ月で1つだけ変える

差別化の要素を一度に全部やろうとすると、どれも中途半端になります。3ヶ月に1つと決めてください。

  • 1〜3月:スタッフを前に出す(写真、名札、SNS)
  • 4〜6月:口コミを増やす仕組みを作る
  • 7〜9月:営業時間を試験的に変えてみる

1つずつやると、何が効いたのかが分かります。同時に3つ変えると、来店が増えても理由が特定できません。

お客さんに直接聞く

いちばん確実なのは、来ている人に聞くことです。「他にも近くに店がありますが、こちらを選んでくださった理由はありますか」。

返ってくる答えは、たいてい自分が思っていたのと違います。商品だと思っていたら「駐車場が停めやすいから」だったり、「前に来たとき覚えていてくれたから」だったり。

そこが本当の強みなので、写真や投稿で前面に出してください。

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