「加工はダメ」と言われる一方で、まったく手を加えない写真も暗くて見づらい。どこまでならいいのか、基準を書きます。
答えはシンプルです。整える加工はOK、変える加工はNG。
整える加工と変える加工
整える加工は、実物に近づけるための調整です。写真は暗く写ったり色が転んだりするので、それを補正して実際の見え方に戻す作業になります。
変える加工は、実物と違うものにする作業です。輪郭を細くする、目を大きくする、脚を伸ばす。これらは実物とのギャップを生みます。
この2つを分けて考えれば、迷いません。
やっていい調整と順番
標準の写真アプリだけで完結します。この順にやってください。
- 1. 傾き補正:水平を直す。ここを最初に
- 2. 明るさ(露出):+10〜20が目安
- 3. シャドウ:+10前後。目の下や首の影が薄くなります
- 4. ハイライト:-5〜10。飛んだ部分が少し戻ります
- 5. 彩度:-5〜10。日本人の肌は少し落とすと上品に見えます
- 6. 色温度:肌が黄色いなら青方向、青いなら黄色方向へ少しだけ
- 7. トリミング:最後。顔が中央よりやや上に来るように
数値は目安です。やりすぎたと感じたら戻してください。迷ったら弱いほうが正解です。
やらないほうがいい加工
- 輪郭を細くする(小顔加工)
- 目を大きくする
- 鼻を小さくする、高くする
- 脚を伸ばす、体を細くする
- 肌を完全につるつるにする(毛穴も質感も消えます)
- 白目を極端に白くする
- 歯を不自然に白くする
これらは全部、会ったときのギャップになります。書類が通っても対面で終わる原因です。
ニキビや一時的なものは?
これは許容範囲です。数日で消えるものは、本来の顔ではないからです。
ニキビ、虫刺され、擦り傷。これらを軽く消すのは問題ありません。
一方、ほくろ、そばかす、傷跡など継続的にあるものは消さないでください。それはあなたの特徴であり、会ったときに「聞いていない」となります。
加工がバレる理由
強い加工は、見る人が見ればすぐわかります。理由を知っておくと、やりすぎを防げます。
1. 背景が歪む。輪郭を細くすると、後ろの壁の線が曲がります。これがいちばんバレやすいポイントです。
2. 肌に質感がない。毛穴も産毛も消えると、人形のような肌になります。
3. 髪の生え際が不自然。顔を小さくすると、髪との境界がぼやけます。
4. 目だけ解像度が違う。目を大きくすると、その部分だけぼやけます。
審査する側は何百枚も見ているので、こうした痕跡に気づきます。
どのアプリを使うか
標準の写真アプリで十分です。iPhoneの「編集」、Androidの「Googleフォト」。どちらも必要な調整は全部できます。
専用の加工アプリは、初期設定で自動的に美肌や小顔が入るものが多く、宣材写真には向きません。使うなら、その機能をオフにできるか確認してください。
また、無料版でロゴ(ウォーターマーク)が入るアプリは避けてください。隅にアプリ名が入った写真は宣材として使えません。
フィルターの扱い
SNS用ならいいのですが、宣材写真では色が強くつくフィルターは避けてください。
特に、レトロ調・セピア・強いコントラストのフィルターは、肌の色が実物と変わります。
使うとしても、彩度と明るさが微調整される程度の弱いものにとどめてください。
加工前のデータを残す
加工したら、元データは必ず別に残しておいてください。
やりすぎたと後で気づいたとき、元がないと作り直せません。また、応募先によって加工の許容度が違うので、元があると調整し直せます。
iPhoneの標準編集は元に戻せますが、他アプリで保存すると上書きされることがあります。
判断に迷ったときの基準
ひとつだけ覚えておいてください。
「この写真を見せた相手に、実際に会っても驚かれないか」
驚かれそうなら、その加工はやりすぎです。逆に、驚かれない範囲なら何をしても構いません。
応募先による許容度の違い
同じ写真でも、送り先によって加工の許容度が変わります。
読者モデル・被写体:等身大であることが価値なので、加工は控えめが正解です。
事務所オーディション:素材を見るため、加工は最小限を求められます。輪郭や目をいじった写真は嫌われます。
SNSでの発信:ここは自由です。世界観を作るための加工は問題ありません。
混同しないでください。SNS用の加工を宣材に流用すると、たいてい強すぎます。用途ごとに1枚ずつ用意するのが理想です。
加工を減らすほうが強い理由
加工が軽い写真は、選ぶ側にとって「安心して使える写真」です。
実物と一致していれば、会ったあとに問題が起きません。逆に、加工の強い写真ばかり送られてくる中で、素の状態が伝わる写真はそれだけで信頼されます。
盛る競争に参加しないほうが、結果的に選ばれやすくなります。
加工より撮り方
最後に大事なことを。加工で直せる範囲は限られています。
暗い写真を明るくするとザラつきます。歪んだ写真は直りません。表情が固い写真は加工では救えません。
撮る段階で光と角度を整えるほうが、はるかに効率的です。撮り方は宣材写真をスマホで撮る方法、光の使い方は室内で明るく撮る方法にまとめています。
Pasha!の読者モデル登録に送る写真も、明るさを整えた程度のもので十分です。
よくある質問
写真の加工はどこまでやっていいですか?
整える加工はよく、変える加工は避けてください。明るさ・シャドウ・彩度・色温度・傾き補正までが整える加工です。輪郭を細くする、目を大きくするなどは実物とのギャップを生みます。
加工の正しい順番はありますか?
傾き補正→明るさ→シャドウ→ハイライト→彩度→色温度→トリミングの順です。標準の写真アプリだけで完結します。
ニキビを消すのはダメですか?
数日で消える一時的なものなら問題ありません。一方、ほくろやそばかす、傷跡など継続的にあるものは消さないでください。会ったときに「聞いていない」となります。
加工がバレるのはなぜですか?
輪郭を細くすると背景の線が歪み、肌を滑らかにすると質感がなくなり、目を大きくするとその部分だけぼやけます。審査する側は何百枚も見ているのでこうした痕跡に気づきます。