生成AIでLP制作は本当に完結するのか?現場で見えた現実と限界
「生成AIを使えばLPが1時間で完成する」という記事が増えています。
この記事の目次
半分は本当で、半分は誇張です。
僕も実際にChatGPTやClaudeを使ってLPのコピーを作ってきました。その経験から言えるのは、生成AIはLP制作を「速くする」ことはできるが、「完結させる」ことはできないということです。
この記事では、現場で見えた生成AIのLP制作における現実と限界を、包み隠さずお伝えします。
生成AIができること・できないこと
AIが得意な領域
生成AIがLP制作で本当に役立つ場面があります。
構成案の作成:「ターゲットは30代女性の経営者、サービスはLP制作代行」という情報を渡せば、PASONA法則に沿った構成を30秒で出してくれます。ゼロから考える時間が大幅に短縮されます。
コピーのたたき台:ファーストビューのキャッチコピーを10パターン出す、説明文の言い回しを変えるといった作業は驚くほど速い。バリエーションを大量に出してから選ぶ、という使い方に向いています。
チェックと改善提案:既存のLPのコピーを貼り付けて「CVRを上げるための改善点を教えて」と聞くと、それなりに有用なフィードバックが返ってきます。
AIが苦手な領域
一方で、生成AIが明確に苦手なことがあります。
ターゲットの感情を深く理解すること:AIは「30代女性経営者向け」と言われれば一般的な文章は作れますが、「このお客さんが夜中に一人でスマホを見ながら感じている不安」のような、生々しいインサイトは出てきません。
独自の訴求軸を発明すること:競合と差別化できる「これしかない」というポジションは、AIには作れません。AIは過去のデータから「よくある答え」を出します。
ブランドの空気感を再現すること:文体・トーン・言葉の選び方がブランドと一致しているかどうかの判断は、AIには難しい。均質化された文章になりがちです。
実際にAIでLPを作ってみた結果
ChatGPTで作ったコピーの「惜しさ」
WGSで実際にChatGPT-4oを使ってLPのファーストビューを作るテストをしました。
ターゲット情報・サービス概要・競合との差別化ポイントを詳細に入力して、キャッチコピーを20本出してもらいました。
結果:20本中、「使えるかもしれない」が5本、「このままは使えない」が15本でした。
「惜しい」のです。言いたいことは合っているのですが、刺さらない。どこかテンプレートっぽく、「聞いたことある言葉」で構成されています。あと一歩、ユーザーの心に刺さる言葉に変えるための編集作業が必要でした。
この編集作業をできる人間がいて初めて、AIのアウトプットは使えるものになります。
量産できるが「刺さる言葉」が出てこない理由
生成AIが「惜しい」コピーしか出せない根本的な理由があります。
AIは平均的な正解を出します。大量のテキストデータから「この文脈ではこういう言葉が使われることが多い」というパターンを学習しているので、どうしても既視感のある言葉になる。
売れるコピーの条件は「誰も言っていなかったことを、誰もが感じていた言葉で表現すること」です。これはAIの学習の仕組みと真逆です。
AIが作るLPに読者が気づき始めている
「AI臭」を感じるユーザーの増加
2026年現在、AI生成コンテンツが急増したことで、ユーザーは無意識に「AI臭」を感じ取るようになっています。
「結論から言うと〜」「〇〇には3つのポイントがあります」「最後に」——こういったパターン化された構成や表現が、AIらしさとして認識されています。
LP上で感じる「AI臭」は信頼感の低下につながります。特にBtoBや高額商品では、「この会社は手抜きしているのではないか」という印象を与えるリスクがあります。
人間らしさと信頼感がCVRに影響する時代
生成AIが普及すると逆説的に、人間の手が入った言葉の価値が上がります。
体験に基づく具体的なエピソード、実際のクライアントの声、担当者の顔が見えるメッセージ——これらはAIには作れません。AI時代のLPで差別化するのは、むしろこうした「人間にしか書けない要素」です。
WGSでLP制作を支援するとき、最初にやるのはクライアントへのヒアリングです。「なぜこのサービスを始めたか」「お客さんから言われて一番嬉しかった言葉は何か」——そこから出てくる言葉が、AIには絶対に作れないコピーの素材になります。
生成AIを正しく使うLP制作の流れ
AIはたたき台、人間が上流設計
AIを正しく使ったLP制作の流れはこうです。
1. 人間がやること(上流設計)
・誰をターゲットにするか決める
・ターゲットが抱える本質的な悩みを言語化する
・競合との差別化ポイントを決める
・ブランドのトーンと禁止事項を定義する
2. AIにやらせること(実行・量産)
・上流設計を踏まえた構成案の作成
・キャッチコピーの複数パターン出し
・説明文・ベネフィット一覧のたたき台作成
・既存コピーの言い換えバリエーション
3. 人間が仕上げること(編集・判断)
・AIアウトプットから「惜しい」を「刺さる」に変える編集
・ブランドの空気感と一致しているか確認
・ターゲットの感情と一致しているか最終判断
この流れを守れば、制作時間を30〜50%短縮しながら品質を維持できます。
プロンプト設計力がセールスライターの新スキル
AIをうまく使えるかどうかは、プロンプトの質で決まります。
「LP作って」ではダメです。「30代男性・年商3000万の建設会社社長・5年前に補助金申請で失敗した経験がある・今回は絶対に通したい・ライバルはA社とB社・差別化ポイントはスピードと現場担当者が直接対応すること——この条件でLPのファーストビューを5パターン作って」まで書けば、使えるアウトプットが出てきます。
プロンプトを書くためには、ターゲット理解とセールスライティングの知識が必要です。つまり、AIが普及してもセールスライターの価値は下がらない——むしろ、AIを使いこなすための「考える力」の価値が上がっています。
内製化するべき部分・プロに任せるべき部分
コスト削減より成果で考える判断軸
「AIを使えば内製化できる=コストが下がる」という発想は一面的です。
内製化で下がるのは制作費だけです。でも、LP改善によって得られるCVRアップの価値はそれより遥かに大きいことが多い。
月100万円の広告費でCVR0.5%なら月5件の問い合わせ。CVR1.0%になれば10件。この差を生み出せるLPかどうかが、プロに任せるかどうかの判断軸です。
WGSが担っている「上流設計」の中身
WGSがLP制作で担っているのは、コーディングやデザインだけではありません。
最初のヒアリングでターゲットのインサイトを引き出し、競合調査でポジションを決め、「誰に・何を・なぜ今」を定義する——この上流設計がLP成果の9割を決めます。
AIにできるのはここから先の実行部分だけです。上流設計なしにAIでLPを量産しても、「そこそこのLPがたくさんできる」だけで、成果は出ません。
まとめ
生成AIはLP制作を速くしてくれますが、完結させてはくれません。
AIに任せていい部分:構成案・コピーのたたき台・バリエーション展開
人間がやるべき部分:ターゲット設計・差別化軸の定義・最終的な言葉の判断
「AIで作ったLPがなんか刺さらない」と感じている方は、上流設計から見直してみてください。
WGSではLP制作の上流設計から、AIを活用した効率的な制作・改善まで一気通貫で支援しています。「AIを使いながらでも成果が出るLPを作りたい」という方はご相談ください。

