【EC・通販向け】広告ROASが合わない月商50万円からの脱却マーケティングモデルケース
単価の低いECでROASが合わないときは、新規獲得の広告を増やすより、リピート率と客単価を先に上げます。この記事では、月商50万円のハンドメイドアクセサリー店を例に、月商100万円までの道筋を計算と一緒に示します。
ここで紹介するのは、考え方を説明するためのモデルケースです。特定のお店の実績ではないので、数字は自分のお店のものに置き換えて読んでください。
モデルケースの設定
業態:自社ECサイト運営(ハンドメイドアクセサリー・月商50万円・商品単価2,000〜5,000円)
現状:Instagram経由の流入はあるものの購入率が低い。Meta広告を試したがROASが1.5倍程度で利益が出ない。リピート購入は全体の20%程度。
月間マーケティング予算:5万円
目標:月商を50万円から100万円に引き上げ、広告費に頼らない仕組みを作る
現状の課題
商品単価2,000〜5,000円のECでMeta広告を使うと、1件獲得するための費用が粗利を超えやすくなります。利益率が低い単品販売でROASを合わせるのは難しいです。解決策は、LTVを上げる(リピート率の改善)か、客単価を上げるかのどちらかです。
ROAS1.5倍がなぜ赤字になるのか
損益の分かれ目になるROASは、1÷粗利率で出せます。粗利率50%なら損益分岐のROASは2倍です。つまり、このお店のROAS1.5倍は赤字です。
| 項目 | 金額(計算例) |
|---|---|
| 広告費 | 100,000円 |
| 広告経由の売上(ROAS1.5倍) | 150,000円 |
| 粗利(粗利率50%) | 75,000円 |
| 広告費を引いた損益 | −25,000円 |
自分のお店の広告が黒字か赤字かは、広告の損益を計算するページで確かめられます。リピートまで入れて考えるなら、LTVの計算と広告費の決め方も参考にしてください。
施策1:LPを商品ページではなくブランドページに作り直す
ハンドメイドアクセサリーでは、商品の仕様より「誰が、なぜ、どんな想いで作っているか」が購入の動機になります。商品ページに直接飛ばすより、作り手のストーリーと世界観が伝わるページを挟んだほうが、購入につながりやすくなります。
- 作り手のプロフィール、制作の背景、素材へのこだわりを載せる
- 「このブランドを選ぶ理由」を、読んだ人に伝わる言葉で書く
- 購入者の声を写真付きで掲載する
- 初回購入のハードルを下げる「送料無料」「ギフト包装無料」などを入れる
LPのコピーライティングはこちらで解説しています。購入者の声の集め方はお客様の声の集め方と書き方にまとめています。
施策2:リピート購入の仕組みを作る
このモデルでは、リピート率を20%から35%へ上げることを目指します。既存のお客さんへの連絡は、新規獲得より費用が小さく、反応も確かめやすいからです。
- 購入後にメルマガの登録をお願いし、新作情報や限定セールを配信する
- 購入から30日後に「次回10%オフクーポン」をメールで送る
- 季節に合わせたコレクションの案内を年4回送る
- 「誕生月クーポン」を設定して、年1回の接点を作る
メールを送るときは、宣伝メールを送ることへの同意を購入時に取っておきましょう。配信停止の方法も毎回載せます。リピーターを増やす施策はこちらに詳しく書いています。
施策3:Meta広告をリターゲティング中心に切り替える
新規獲得の広告でROASが合わないなら、一度サイトを見た人やカートに入れた人へのリターゲティング広告に予算を寄せます。購入意欲が高い人に絞って届けられるので、新規獲得より費用を抑えやすくなります。
- 「カート放棄者」「商品ページ閲覧者」「過去購入者」の3つに分ける
- カート放棄者には「まだ悩んでいますか?送料無料でお届けします」の広告を出す
- 過去購入者には「新作入荷しました」の広告を出す
サイトの訪問者が少ないと、配信する相手が足りず広告が出ないことがあります。その場合は、Instagramの投稿で流入を増やしながら、広告は少額で続けましょう。ROASは必ず粗利で判断してください。
リマーケティングの詳細はこちらの記事で解説しています。Meta広告のターゲティング設定はこちらにまとめています。
施策4:客単価を上げるセット販売・ギフト展開
単品2,000〜5,000円では広告費を賄いにくいです。「3点セット9,000円」「ギフトボックス15,000円」を作ると、客単価が上がり、広告を使える余地も広がります。誕生日、記念日、クリスマスなどのギフト需要に合わせたページを作ると、季節の山も作れます。
セットは、一緒に使う理由があるものを組みます。ピアスとネックレスのように、組み合わせて身につけた写真を見せると、選ぶ理由が伝わります。
予算5万円と6か月の進め方
月5万円の予算は、広告だけに使わず、時期ごとに使い先を変えます。順番は目安なので、最初の2か月の結果を見て変えてください。
| 時期 | やること | 見る数字 |
|---|---|---|
| 1〜2か月目 | ブランドページを作る。購入後のメールを整える | 購入率、メール登録率 |
| 3〜4か月目 | リターゲティング広告へ切り替える。セットを作る | 粗利で見た広告の損益、客単価 |
| 5〜6か月目 | ギフトのページを出す。反応が良い施策に予算を寄せる | リピート率、月商 |
期待できる変化(6ヶ月後)
目標の月商100万円を、客単価と客数に分けて計算します。ここでは客単価3,500円、月143件で約50万円とします。
| 項目 | 現状 | 6か月後の目標 |
|---|---|---|
| 客単価 | 3,500円 | 5,250円(1.5倍) |
| 月の注文件数 | 約143件 | 約190件(リピート増で約1.3倍) |
| 月商 | 約50万円 | 約100万円 |
リターゲティング広告で費用を抑えながら新規を維持し、リピート率を20%から35%へ改善します。さらにセット販売で客単価を1.5倍にできれば、月商100万円は広告費を大きく増やさなくても届く水準です。実際の伸びはお店によって変わるので、毎月この表の数字を見比べてください。
よくある質問
ECのROASはどのくらいあれば黒字ですか?
損益分岐のROASは1÷粗利率で計算できます。粗利率50%なら2倍、粗利率40%なら2.5倍です。送料や手数料もかかるので、粗利はそれらを引いた金額で計算しましょう。
新規獲得の広告はやめたほうがいいですか?
完全にやめる必要はありません。粗利で赤字のまま増やすのを止めて、まずリピートと客単価を上げます。1人あたりの粗利が増えれば、新規獲得に使える広告費も増えます。
リピート率はどうやって測ればいいですか?
一定の期間に買った人のうち、2回以上買った人の割合を見ます。ECの管理画面で顧客ごとの注文回数を確かめて、毎月同じ条件で比べましょう。
小さいECでもメルマガは効果がありますか?
人数が少なくても、一度買ってくれた人に直接届く手段として使えます。まずは新作の案内と購入後のフォローの2種類から始めると、続けやすいです。
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