生成AIでLP作成は完成するか。現時点でできることとできないこと
結論から言うと、生成AIだけでLPは形になりますが、そのまま公開して売れるLPにはなりません。たたき台を作る作業はAIに任せられます。一方で、誰に何を伝えるかを決めることと、内容が本当かを確かめることは人の仕事です。
見た目が整った原稿はすぐに出てきます。ただ、読み返すと「どの会社にも当てはまる文章」になっていることがよくあります。この記事では、LP制作のどこにAIを使えて、どこに使えないのかを工程ごとに整理します。
AIが得意なこと・苦手なこと
AIが得意なこと
AIが得意なのは、材料を渡したうえで、たくさんの案を短時間で出す作業です。
- PASONAやAIDMAなどの型に沿ったコピーのたたき台を作る
- キャッチコピーの候補を何十本も出す
- よくある質問の候補を出す
- 長い文章を短くする、硬い表現を言い換える
- お客様の声やアンケートを、悩みごとに分類する
たとえば、キャッチコピーを20本出してもらい、そこから使えそうなものを数本に絞る使い方が効率的です。
AIが苦手なこと
苦手なのは、AIに渡されていない情報が必要な作業です。
- ターゲットが本当に困っていることを見つける
- そのお店や会社らしい言葉を見つける
- 実績や数字が正しいかを確かめる
- 読み手に「自分のことだ」と思わせる具体的な場面を書く
AIのコピーが「それっぽいが刺さらない」文章になるのは、多くの場合、具体的な材料が足りないからです。材料がなければ、AIは誰にでも当てはまる言葉で埋めます。
工程ごとの分担
LPの工程を、AIと人に分けると次のようになります。
| 工程 | AIの役割 | 人の役割 |
|---|---|---|
| ターゲットと訴求を決める | 案を出す、抜けを指摘する | 最終的に決める |
| お客様の悩みを集める | 声を分類して要約する | 実際に話を聞く |
| コピーを書く | たたき台を多めに出す | 選んで自分の言葉に直す |
| 構成を作る | 型に沿って案を出す | 順番と削る部分を決める |
| デザインとコーディング | 見本やコードの下書きを作る | 表示と動作を確かめる |
| 公開前の確認 | 誤字や矛盾を探す | 事実と法律面を確かめる |
AIに任せられるのは「案を増やす」作業です。「どれを選ぶか」と「それが本当か」は人が担当します。
現実的なAI活用の流れ
Step1:ターゲットとコアメッセージを人が決める
AIに頼む前に、誰に、何を、なぜ伝えるのかを決めます。ここが曖昧だと、AIの出力も曖昧になります。
次の4つを短い文章で書き出してください。
- 誰に向けたLPか(年齢よりも、今困っていること)
- お客様がよく口にする悩みの言葉
- 他社ではなく自社を選ぶ理由
- LPを読んだ人に取ってほしい行動
Step2:AIでたたき台を多めに作る
Step1のメモと、実際のお客様の声を渡して、キャッチコピー、本文、よくある質問のたたき台を複数作ってもらいます。この段階では質より量を優先します。
指示は具体的に書きます。「LPを書いて」ではなく、次のように材料と条件を渡します。
次の材料だけを使って、LPのキャッチコピーを20本書いてください。 ・お客様:(今困っていること) ・お客様の言葉:(実際に聞いた言葉を3つ) ・自社の強み:(事実だけを3つ) 条件:材料にない実績や数字は書かないこと。 最後に、確認が必要な部分を一覧にしてください。
Step3:人が選んで磨く
出てきた案から使えそうなものを選び、自分の言葉に書き直します。全文をそのまま使わないでください。
自社の体験、具体的な数字、固有名詞を加えると、ようやく自社だけの文章になります。迷ったときは、声に出して読みます。自分が普段お客様に言わない言葉は、削るか言い換えてください。
LP制作で最も重要なのは言葉です。この点についてはLPコピーライティングの記事に詳しくまとめています。
公開前に必ず確認すること
AIの文章は、もっともらしい間違いを含むことがあります。公開する前に次の項目を確認してください。
- 実績と数字:AIが作った実績、件数、満足度が混ざっていないか
- お客様の声:実在しない声を載せていないか。作った声の掲載は景品表示法上の問題になります
- 誇大な表現:「業界No.1」「必ず効果が出る」など、根拠を示せない言葉がないか
- 業種のルール:医療、美容、健康食品などは、薬機法や業界の規制に合っているか
- 他社との類似:既存の広告やコピーとそっくりになっていないか。似ている場合は著作権の問題が起きることがあります
- 入力した情報:お客様の個人情報や社外秘の内容を、そのままAIに入力していないか
検索からの集客も狙うなら、AIの文章を大量に並べるだけのページは避けてください。Googleは作り方そのものより、読み手の役に立つかを重視しています。
AIだけで作ってよい場面、人を入れたい場面
広告費をかけるかどうかで、手間のかけ方を変えるのが現実的です。
| 場面 | 進め方 |
|---|---|
| 無料の案内や小さな告知 | AIのたたき台を直して公開してよい |
| アイデアの反応を試すLP | AIで複数案を作り、数字を見て判断する |
| 広告費をかけて集客するLP | 人が調査と仕上げを担当し、AIは補助に使う |
| 高額商品、規制の多い業種 | 専門家の確認を入れ、AIは下書きまでにする |
広告を出すLPは、言葉のわずかな差が問い合わせの数に響きます。公開後は数字を見て、見出しやボタンの言葉を1つずつ試してください。AIは、次に試す案を出すところでも役に立ちます。
よくある質問
生成AIだけでLPは完成しますか?
形にはなりますが、そのまま公開するのはおすすめしません。誰に何を伝えるかの判断と、実績や数字が正しいかの確認は人の仕事です。AIはたたき台を作る役割で使い、最後は人が選んで直してください。
AIが書いた文章をそのままLPに使うと問題がありますか?
AIを使ったこと自体が問題になるわけではありません。問題になるのは内容です。実在しない実績やお客様の声、根拠のない表現、他社の表現とそっくりな文章は、法律上の問題につながります。公開前に事実と表現を確認してください。
AIでLPを作ると費用はどのくらい下がりますか?
案出しや下書きの時間は短くなりますが、調査と確認の手間は残ります。金額は作り方と依頼先で変わるので、制作費の総額より、どの工程を自社でできるかで比べてください。広告で集客するLPなら、公開後の改善まで含めて考えます。
どの生成AIを使えばいいですか?
サービスごとの差より、渡す材料の質のほうが結果に響きます。普段使っているものを1つ決めて、お客様の言葉と事実を渡してください。お客様の情報を入力する場合は、そのサービスの入力データの扱いを先に確認します。
まとめ
- AIに任せるのは、案を増やす作業
- 人が担当するのは、誰に何を伝えるかの判断と、内容が本当かの確認
- AIには実際のお客様の言葉と事実を渡す
- 公開前に実績、声、表現、法律面を確認する
まず今週は、お客様がよく口にする言葉を3つ書き出して、それをAIに渡すところから始めてください。
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