問い合わせの一歩手前で客を逃していないか。見込み客を育てる仕組みの作り方
見込み客を増やすには、今すぐ買わない人が気軽に受け取れる入口を作り、連絡先をもらい、定期的に役立つ情報を届けます。この3つを仕組みにしておくと、問い合わせが広告の出稿量だけに左右されなくなります。
問い合わせが来ないと悩む会社の多くは、問い合わせの一歩手前で人を逃しています。BtoBや高額のサービスでは特に、問い合わせる前に比べて考える期間があります。その期間に接点がないと、検討が終わる頃には忘れられています。
客の多くは「今すぐ」ではない
サイトに来る人の中で、今すぐ買いたい人は一部です。残りは「情報を集めている」「比べている」「いつか必要になる」段階にいます。広告や検索で今すぐ客だけを狙う施策は、この人たちを素通りさせてしまいます。
放っておくと、この人たちは検討が進んだときに、思い出した別の会社へ問い合わせます。検討の間に役に立つ情報を届け、必要になったときに思い出してもらう。これがリードナーチャリング(見込み客の育成)の基本です。
私自身、バンド時代にこの失敗をしました。アカウントのフォロワーは3,000人いましたが、告知をしても動員は5人でした。バンドをやめるときには、「また音楽やるよ」と伝えられる連絡先が1件も残っていませんでした。見てくれる人の数と、こちらから連絡できる人の数は別物です。
見込み客の作り方と育て方:3つの装置
仕組みは3つに分けると作りやすくなります。
- 連絡先の獲得。資料、チェックリスト、診断など、買う前の人が手を出しやすい入口を作り、メールやLINEの接点に変えます。
- 定期接触。週1回でも月2回でもかまいません。役立つ情報を送り続けて、忘れられない状態を保ちます。売り込みは10回に1回程度に抑えます。
- 検討度のシグナル検知。料金ページを見た、事例を読んだ、メールのリンクを何度も押した。行動が変わった人にだけ、個別の案内を送ります。
装置1:入口は「悩みが1つ解決するもの」にする
「メルマガ登録」だけでは、登録する理由がありません。読者の悩みを1つ解決する小さなものを用意します。業種別の例は次のとおりです。
| 業種 | 入口の例 |
|---|---|
| お店、サロン | 初めての方向けのメニューの選び方、次回使えるクーポン |
| 教室、スクール | 体験レッスンの前に読むガイド、レベル確認のチェックシート |
| BtoBサービス | 費用の早見表、導入前のチェックリスト、事例集 |
| 士業、コンサル | 手続きの流れの一覧、よくある質問集 |
診断形式の入口については診断コンテンツの設計手順で詳しく説明しています。
装置2:連絡手段はお客さんに合わせて選ぶ
一般の人向けならLINE、BtoBならメールが始めやすい選択です。
| 手段 | 向いている相手 | 注意点 |
|---|---|---|
| LINE公式アカウント | 地域のお店、教室など一般の人向け | 送りすぎるとブロックされる。配信数で費用が変わる |
| メール | BtoB、長い説明が必要な商品 | 開封されにくいので、件名と送る間隔を工夫する |
登録直後は関心が一番高いときです。最初の3通で、自己紹介、役立つ情報、事例の順に送ると、流れを作りやすくなります。詳しくはLINEの登録特典と「直後の3通」の設計と、ステップメールの記事を参考にしてください。
装置3:動きがあった人にだけ声をかける
全員に売り込むと、配信を解除されます。専用のツールがなくても、次のような方法で見分けられます。
- メールやLINEのリンクを、料金や事例のページへの入口に分けて、押した人を確かめる
- 問い合わせフォームに「いつ頃から始めたいですか」という質問を入れる
- 配信の中で「個別に聞きたい方は返信してください」と呼びかける
小さい会社ほど「すぐ使える見込み客」を持っている
広告で新しい人を集める前に、過去の問い合わせ、名刺、既存客からの紹介候補など、すでに接点のある人を掘り起こすほうが、費用を抑えて始められます。手順は次のとおりです。
- 過去の問い合わせと名刺を1つの表にまとめる
- 「検討中で止まった人」「過去のお客さん」「名刺交換だけの人」に分ける
- 売り込みではなく、役立つ情報と近況を添えた連絡を送る
- 返信や予約があった人にだけ、個別に案内する
広告メールを送るときは、特定電子メール法のルールを確認してください。原則として受信者の同意が必要で、名刺交換や取引関係などの例外があります。送信者の表示と、配信停止の案内も入れましょう。
集客とは、今すぐ客の奪い合いに勝つことだけではありません。まだ客でない人との関係を先に作っておくことです。検討中の人に、検討が終わる前に会いにいきましょう。
まず30日でやること
全部を一度に作る必要はありません。最初の1か月は次の順番で進めます。
- 1週目:よくある質問を10個書き出し、一番多い悩みを選ぶ
- 2週目:その悩みを解決するチェックリストを1枚作る
- 3週目:サイトと名刺、店頭に入口を置き、登録直後の3通を書く
- 4週目:登録数と返信数を記録し、月2回の配信を始める
見るのは、登録数、配信の解除数、返信や予約の数の3つで十分です。
よくある質問
見込み客を増やすには何から始めればいいですか?
すでにある問い合わせや名刺を1つの表にまとめ、そのうえで、よくある悩みを解決するチェックリストなどの入口を1つ作ります。広告を増やすのは、そのあとで問題ありません。
リードナーチャリングとリードジェネレーションの違いは何ですか?
リードジェネレーションは見込み客の連絡先を集めることで、リードナーチャリングは集めた人との関係を育てて購入の検討を進めてもらうことです。両方がそろって問い合わせにつながります。
配信の頻度はどのくらいがいいですか?
続けられる頻度を選びましょう。まずは月2回を目安に始め、解除が増えないか確かめます。頻度より、読者の役に立つ内容かどうかを優先しましょう。
BtoCでも見込み客の育成は必要ですか?
必要です。教室や高単価のサービスなど、申し込みまでに考える時間がかかる商品で特に役立ちます。来店型のお店なら、LINEで再来店のきっかけを作る形が使いやすいです。
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